閉じる

2024/03/22

松きのこの栽培方法とは?松きのこ栽培を行うなめがたファーマーズヴィレッジを取材しました

松きのこicon

松きのこの発祥は世羅町ですが、じつは世羅町だけでなく茨城県の行方市でも松きのこが栽培されていることはご存知でしょうか?

行方市での松きのこ栽培はどのようにして行われているのでしょうか。今回は松きのこの栽培をしているなめがたファーマーズヴィレッジにて、松きのこの栽培を取材させていただきました。

1.なめがたファーマーズヴィレッジでの松きのこ栽培の特徴

1-1.自然のエネルギーを活用した松きのこ栽培

なめがたファーマーズヴィレッジでの松きのこ栽培の特徴は主に2つあり、1つはリーファーコンテナというコンテナを使用していることです。

リーファーコンテナとは、断熱材で囲われたコンテナのことで、内部の温度を栽培に適した状態に保つことが可能になります。

この温度を一定に保つというのが松きのこ栽培には非常に重要になっています。

空調機器や加湿器をコンテナ内部に設置して、夏や冬などの温度や湿度の上昇・下降が激しい時でも最適な環境を作り上げています。

DSC03124.jpeg

リーファーコンテナで行われる松きのこ栽培

2つ目の特徴として、リーファーコンテナの上にソーラーパワーパネルを設置しており、温度・湿度管理など栽培に必要となる電力はすべて太陽光発電でまかない、環境に配慮した松きのこ栽培に取り組んでいます。

about-image05.jpg

リーファーコンテナ上に設置されたソーラーパワーパネル

1-2.徹底した衛生管理と温度・湿度管理

松きのこの成長のために、外部から雑菌を持ち込まない事と、食の安心・安全という観点のもと、衛生管理は徹底されています。

また、松きのこは「温度が1度変われば成長度合いが変わる」と言われるほど、繊細なきのこ。そのため、常にコンテナ内の温度や湿度に気を配りながら栽培されています。

衛生管理や温度・湿度の管理についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

松きのこは安全なきのこ?徹底的な衛生管理がされた松きのこの栽培現場を取材しました

240930 (1).jpg

温度・湿度は表を用いて細かく管理されています。

2.なめがたファーマーズヴィレッジでの松きのこ栽培の様子

松きのこの栽培は大きく分けて5つの工程に分けられており、それぞれの工程でどのようなことをしているのかを紹介します。

工程1.菌床の培養

種菌を接種した日から120間、菌床を培養します。

培養方法は、袋に入れられた菌床に光を当てないようにするため、暗いコンテナに置きます。

培養期間中は菌の力によって菌床温度が上昇して温かくなるのですが、20度を超えないように調整し続けます。20度を超えていないか確認するために毎日数時間おきにやっているのが検温。温度と湿度を確認し、管理表に記入して温度・湿度管理を行っています。

DSC03098.jpeg

菌床の培養

工程2.培養を終えたら、袋を切り芽出しへ

培養を終えた菌床は袋から出し、全面洗浄した後、天日干しをして乾燥させ芽出しを行います。

芽出しは、明かりを当てながら5日間、この工程でも温度・湿度管理に問題があると成長に支障が出るため、温度・湿度管理表などを細かくチェックしながら管理していきます。

菌床を載せているラックの上段・中段・下段などの場所によって温度や湿度には差が生まれるため、それぞれの場所の移動・調整も行っていきます。

DSC03114.jpeg

芽が出始めた松きのこ

工程3.発生(収穫)

密集している芽を間引いて、松きのこが大きく成長できるよう手助けをします。

また、芽出しから加湿して水分量をあげることで、きのこの傘の色がきれいな濃い茶色になり成長してきます。十分な大きさになったらそれぞれのきのこの様子を見ながら、約7日間かけて収穫します。

IMG20240305121550.jpeg

収穫できるサイズになった松きのこ

工程4.菌床を休養させる

菌床の全てのきのこを収穫し、残った芽をつみとって何も残っていない状態にします。

その菌床を全面洗浄と天日干しし、電気を消して温度を高く設定した休養室に7日間入れて休ませます。

菌床を休養させることにより、同じ菌床から再度松きのこが発生します。松きのこは1度収穫したら終わりではありません。複数回の収穫が可能であり、なめがたファーマーズヴィレッジでは、1菌床から4回の収穫をしています。

休養室を室温を高くすることで、菌床の温度を上げ、松きのこの再発生を促します。

工程5.浸水させてから再び芽出しへ

7日間休養させた菌床は休養室から出し、重さを測ります。

その後、菌床を全面洗浄し、水を貯めたプールに一晩つけます。

プールに一晩つけた菌床を水から上げ、どれくらい重さが増えたかを調べるために重量を測り、全面洗浄と天日干しをしたら発生室に入れ、再度芽出し、発生(収穫)となります。

この収穫サイクルが4回繰り返されます。

また、使い終えた菌床は熟成させ、堆肥として使用することで廃棄物を可能な限りなくす取り組みもしています。

まとめ

なめがたファーマーズヴィレッジでの松きのこ栽培は、徹底した衛生管理と温度・湿度管理のもと育てられています。

そんな環境で、手間暇をかけて育つ松きのこは「清潔・安心・安全」で、希少で貴重なきのこです。独特な風味と食感。是非お楽しみください。

松きのこオンラインストアはこちら

松きのこlogo